国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金(老齢基礎年金)とセットで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。

目次

老齢基礎年金に上乗せする第一号被保険者のための年金制度

会社員や公務員なら厚生年金がありますが、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じます。

この年金額の差を解消するための自営業者などの上乗せ年金を求める強い声があり、国会審議などを経て、厚生年金などに相当する国民年金基金制度が平成3年5月に創設されました。
これにより、自営業などの方々の公的な年金は「二階建て」になりました。

国民年金基金は「全国国民年金基金」と「職能型国民年金基金」の2種類

国民年金基金は、「全国国民年金基金」と3つの職種別に設立された「職能型国民年金基金」の2種類があります。

(1)全国国民年金基金に加入できるのは、国民年金の第1号被保険者の方であれば住所地や業種は問いません。

(2)職能型国民年金基金に加入できるのは、各基金ごとに定められた事業または業務に従事する国民年金の第1号被保険者の方です。

(3)全国国民年金基金と職能型国民年金基金の2つの形態が設けられていますが、それぞれの基金が行う事業内容は同じです。なお、加入する場合はいずれか一つの基金にしか加入できませんので、加入される方が選択することになります。

掛金は、全額所得控除で税金がお得

掛金は、全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
例えば、課税所得金額400万円くらいで、国民年金基金の掛金が年額30万円の場合なら、所得税・住民税の合計で約9万円軽減され、国民年金基金の掛金は、実質約21万円となります。

国民年金基金に加入対象者

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者および60歳以上65歳未満の方や海外に居住されている方で国民年金の任意加入されている方が加入できます。

国民年金基金の加入資格を喪失する場合

国民年金基金への加入は任意ですが、加入後は途中で任意に脱退はできません。
国民年金基金に加入した方は次のいずれかに該当したとき加入資格を喪失します。

・60歳になったとき※海外に転居し国民年金に任意加入されている場合を除く
・65歳になったとき(国民年金に任意加入されている方)
・会社員になったときなど国民年金の第1号被保険者でなくなったとき(海外に転居したときを含みます)
・国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき
・該当する事業または業務に従事しなくなったとき(職能型基金の場合)
・国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)されたとき※
・農業者年金の被保険者になったとき
・加入者本人が死亡した場合

掛金月額

掛金月額は、選択した給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まります。 掛金の上限は、月額6万8,000円です。

給付の型及び加入口数は、掛金月額6万8,000円以内で選択できます。
(ただし、個人型確定拠出年金にも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8,000円以内となります。) 確定年金の年金額が終身年金の年金額をこえる選択はできません。

加入は口数制で年金額や給付の型はご自分で選択できます。

自分が何口加入するかによって受け取る年金額が決まります。
給付の型は、終身年金A型・B型、確定年金Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型の7種類があります。